機械キャリブレーション
加熱PIDキャリブレーション説明
- PIDキャリブレーションにより、ヒーター温度制御の安定性と応答速度を最適化できます。下記の表には、異なるヒーターに対応するキャリブレーションコマンドを示しています。ここで
TARGET
パラメーターは、実際の印刷温度のニーズに応じて調整できます。
ヒータータイプ | キャリブレーションコマンド | 説明 |
---|---|---|
エクストルーダー | PID_CALIBRATE HEATER=extruder TARGET=245 | 主エクストルーダーをキャリブレーション。TARGET を一般的な印刷温度に変更(例:PLAは190–220°C) |
エクストルーダー1 | PID_CALIBRATE HEATER=extruder1 TARGET=245 | 装置に第2エクストルーダーがある場合、このコマンドを使用しTARGET 温度を調整 |
ヒートベッド | PID_CALIBRATE HEATER=heater_bed TARGET=245 | ヒートベッドのキャリブレーション。TARGET を実際の印刷温度(例:ABSは90–110°C)に設定 |
PTCヒーター | PID_CALIBRATE HEATER=PTC TARGET=70 | PTCタイプのヒーターをキャリブレーション。使用する素材に応じて適切なTARGET 温度を設定 |
ヒント:キャリブレーション完了後は、以下のコマンドを実行してパラメーターを保存してください。さもなくば、再起動時にキャリブレーションデータが失われます。
SAVE_CONFIG
エクストルーダーキャリブレーション
用意する道具
エクストルードのキャリブレーションを正確に行うために、以下の道具を準備してください:
道具 | 説明 | 要件 |
---|---|---|
ノギスまたは定規 | 実際の押し出し長さを測定 | 精度0.01mm以上、測定範囲150mm以上 |
マーカーまたは透明テープ | フィラメントに印をつけるため | 印刷が明確で判別しやすいこと |
測定用フィラメント | 押し出しテスト用 | PLAまたはPETGの使用を推奨、品質が低いものは避けること |
📌 ヒント:品質が安定したフィラメントと正確な測定器具を使用することで、より信頼性の高いキャリブレーション結果を得られます。
機器の準備
- エクストルーダー内にフィラメントが装填されていることを確認
- ノズルをフィラメントの推奨印刷温度まで加熱
- プリンターが操作可能な状態にあることを確認
2. 初期位置のマーキング
- 準備したマーカーでフィラメントに印をつける
- マーキング位置:エクストルーダー入口から約70mmの位置
- デジタルノギスを使用して、印からエクストルーダー入口までの距離を正確に測定
- この値を初期マーキング距離として記録
3. 押し出し操作の実行
- プリンターのコントロールパネルで、以下のコマンドを順番に入力:
G91 ; 相対座標モードに設定
G1 E50 F60 ; 60mm/minの速度で50mm押し出す
重要な注意事項:
- 押し出しには約50秒かかるため、完了するまで待つこと
- 低速での押し出しが必要。高速ですると圧力が増し、結果の精度に影響を与える
- グラフィカルインターフェースの「押し出しボタン」は使わないこと。これは高速押し出しモードを使用するため
4. 測定と計算
- 押し出しが完了したら、デジタルノギスで印からエクストルーダー入口までの新しい距離を測定
- この値を最終マーキング距離として記録
- 実際の押し出し長さを計算:
実際の押し出し長さ = 初期マーキング距離 - 最終マーキング距離
5. 新しい回転距離の計算
- 公式を使用して計算:
新 rotation_distance = 古 rotation_distance * 実際の押し出し長さ / 要求押し出し長さ
- 要求押し出し長さ:50mm
- 計算結果を四捨五入し、小数点以下3桁まで保持
計算例:
- 古 rotation_distance = 24.000
- 実際の押し出し長さ = 48.5mm
- 新 rotation_distance = 24.000 * 48.5 / 50 = 23.280
6. 設定ファイルの更新
- プリンターの設定ファイルを開く
[extruder]
のセクションを見つけるrotation_distance
パラメーターを計算した新値に変更- 設定ファイルを保存し、ファームウェアを再起動
7. キャリブレーションの検証
- 実際の押し出し長さと要求押し出し長さの差が2mmを超える場合、全体のキャリブレーション手順を再実行することを推奨
- 誤差が1mm未満になるまで繰り返し校正
- 結果の安定性を確保するため、最低でも2回以上の校正を推奨
注意事項
- 作業中は高温部分に触れないように注意
- 測定時はノギスをフィラメントに対して垂直に保ち、測定精度を確保
- 設定変更のたびに保存し、ファームウェアを再起動
- キャリブレーション中はプリンターを移動したり、フィラメントの流れを妨げたりしないこと
このガイドに従ってキャリブレーションを完了すれば、エクストルーダーは必要な長さのフィラメントをより正確に押し出せるようになり、印刷品質が向上します。
Zオフセットキャリブレーション
- 更新中
モデルが垂直でない場合のキャリブレーション
- 更新中
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