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静的IP設定

静的IPの用途と利点

静的IP構成により、デバイスはネットワーク内で固定アドレスを持つことができ、さまざまなアプリケーションに安定したネットワーク接続を提供します。

主な利用シナリオ

  1. デバイスへの安定したアクセスの確保

    • デバイスは常に同じIPアドレスを持ち、リモートアクセスや制御が容易になります
    • WebサーバーやMQTT通信、PLC制御など固定アドレスが必要なシナリオに適しています
  2. ネットワーク管理の簡素化

    • ローカルネットワークや産業用ネットワークで、カメラやセンサー、コントローラーなどの固定IPが必要なデバイスに対応
    • 他のシステムやサービスが安定して接続可能になります
  3. 特殊なネットワーク環境への対応

    • DHCPサービスがない環境(例:産業制御、エッジコンピューティング)では静的IPが必要です
    • 動的アドレス割り当てへの依存を回避できます
  4. 開発・デバッグ効率の向上

    • 固定IPによりデバイスの検索と接続が容易になります
    • 繰り返しのテストプロセスを簡素化できます
  5. デバイス発見メカニズムのサポート

    • 事前に設定されたIPセグメントでデバイスを訪問する際、静的IPによりデバイスが予期通り応答します

静的IPの利点比較

利点説明
安定性と信頼性IPアドレスが固定されるため、長期間動作するデバイスの通信が安定します
GUIのない環境にも適応組み込みデバイスなどGUIのない環境に適しています
リモートメンテナンスの効率化SSH、Web、APIなどを通じた接続がより効率的になります
閉域網への適応産業用ネットワークや専用ネットワークなどでDHCPがない場合に必須です
自動化のサポート配備、監視、更新スクリプトがIPの一貫性に依存して動作します

システム側の設定

IPアドレス選択の推奨
  • 01254255 などの境界値に近いIPアドレスは避けてください
  • 例として 192.168.1.254 を使用すると、他のアプリケーションによって占有され、接続が不安定になる可能性があります
  • 中間範囲のIPアドレス(例:192.168.1.100 - 192.168.1.200)の使用を推奨します

設定手順

  1. システム端末への接続

    • SSHでデバイスに接続します
  2. ネットワークインターフェースの確認

    • コマンドを実行:ip link show
    • NIC名を記録します(例:eth0end0
  3. ネットワーク設定ファイルの編集

    • コマンドを実行:nano /etc/systemd/network/end0.network
    • 注意:ファイル名の end0 は実際のNIC名に置き換えてください
  4. 静的IPパラメータの設定

    • 実際のネットワーク環境に合わせてファイル内容を以下のように編集します:
    [Match]
    # NIC名に合わせて変更してください
    Name=end0

    [Network]
    # 静的IPアドレスとサブネットマスクを設定
    # /24 はサブネットマスクが 255.255.255.0 を意味します
    Address=192.168.1.100/24
    # デフォルトゲートウェイを設定
    Gateway=192.168.1.1
    # DNSサーバーを設定
    DNS=8.8.8.8
    DNS=114.114.114.114
  5. 設定の保存と適用

    • Ctrl + S を押してファイルを保存
    • Ctrl + X を押してエディタを終了
    • ネットワークサービスを再起動:systemctl restart systemd-networkd
  6. 設定結果の確認

    • コマンドを実行:ip a
    • 表示されたIPアドレスが設定値と一致することを確認

PC側の設定

静的IPを設定したデバイスと正常に通信するためには、PC側でも適切なネットワーク設定が必要です。

ネットワークパラメータ設定

パラメータ設定要件説明
自身のIP192.168.1.xxxデバイスと同じサブネット上であればよい
ゲートウェイ192.168.1.1デバイスのゲートウェイと一致させる必要あり
サブネットマスク255.255.255.0デバイスの /24 設定に対応
DNSサーバー8.8.8.8114.114.114.114一般的なパブリックDNSサービスを利用

設定方法

Windowsシステム

  1. 「ネットワークと共有センター」を開く
  2. 「アダプターの設定の変更」をクリック
  3. 現在使用中のネットワーク接続を右クリックし、「プロパティ」を選択
  4. 「インターネットプロトコルバージョン4 (TCP/IPv4)」をダブルクリック
  5. 「以下のIPアドレスを使用する」を選択し、適切なパラメータを入力

macOSシステム

  1. 「システム設定」→「ネットワーク」を開く
  2. 現在使用中のネットワーク接続を選択
  3. 「詳細」→「TCP/IP」をクリック
  4. 「IPv4」を「手動」に設定
  5. 適切なIPアドレス、サブネットマスク、ルーターのアドレスを入力

接続テスト

設定完了後、接続性テストを推奨します:

# PCでpingコマンドを実行して接続性をテスト
ping 192.168.1.100

# 応答が返ってくればネットワーク設定は成功です
故障診断

pingが通らない場合は以下の点を確認してください:

  • LANケーブルの接続状況
  • ファイアウォール設定が通信を遮っていないか
  • IPアドレスが同じサブネット上にあるか
  • サブネットマスクとゲートウェイの設定が正しいか
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